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たかがケータイ、されどケータイ

2014.03.12 塾長ブログ

私の手元には内閣府によるある調査結果(「平成25年青少年のインターネット利用環境実態調査」)が届いています。

これによると携帯電話(スマホも含む)を所有する青少年(10~17歳)のうち、小学生の4割台半ば、中学生の8割台前半、高校生の9割台後半がインターネットを利用しています。そのうち約4割が2時間以上インターネットを利用し、全体の平均利用時間は107分という結果が出ました。もちろん1日あたりです。

これを受けある母親がこんな投書をしています。「娘はおやつの時間に新聞を読んでいたのに、タブレットでSNSや動画を見るようになりました。せっかくの新聞を読む習慣が失われ、読書の時間までがネットで減りつつあります。人間力を育み、人生を豊かにする新聞閲読や読書の時間が、子ども達から失われていくようで残念でなりません。」

全くもって同感です。私はこれまで機会あるたび、『小中学生にケータイ・スマホは不要!』と言い続けてきました。「俺もスマホ欲しーな。先生、うちの親、買ってくれないんだ」とくると、私は次のように返しています。

「君の親は立派な親。君のことを思い、そして愛しているからあえて買わないことにしているんだ。平野家も同じだよ。ゲームなども一切買ってあげなかったし、ケータイも高校になるまでは認めていないよ。子どものことを本気で思ったら、ケータイなど御法度。」「先生、ゴハットって何?」「禁止ということ。」「でも○○君は持っているよ。愛されていないの?」「そうね、愛にはいろいろなかたちがあるからね…..!?」

性犯罪やいじめ、仲間外れの温床にもなっているだけでなく、ゲームにエロ動画等、メリットより危険性、幼稚性、低俗性が問題です。忙しく働いている親にとっては、その利便性やつながっているという安心感ゆえ、必要なのかもしれません。しかし私からすると、それは子育ての放棄としか思えません。たかがケータイひとつでお固いことを言う塾長なのですが、勘弁して下さい。

例えば、急に仕事が長引いて帰宅が遅くなるとしましょう。ケータイがあれば便利ですね。メールや電話一本ですべてが済みます。

ケータイがなかったら。自宅の電話の留守電にメッセージを残しておけばいいのです。いや、何の連絡も必要ありません。普段から職場での親のポジションや仕事の内容、最近の状況など子どもにきちんと話しておくのです。仕事や職場での話をたくさんして下さい。帰宅時間が遅くなったら何に注意し、どう行動をとるべきか、話し合っておけば済むことです。これが子育てではないでしょうか。親も子も面倒な行動をとることで、子どもは成長するのです。子どもは一時的にさびしい思いをするかもしれませんが、「お母さんも頑張っているんだな」「僕たちのために一生懸命仕事に励んでいるんだ」、こうした共感と感謝の気持ちを抱くはずです。

親の背を見せてあげて下さい。職場や社会を見せてあげて下さい。私が言いたいこと、それは「ケータイは親子関係を希薄にし、子どもから成長の可能性を奪い取ってしまう道具」にもなりうるということです。

もう1点。「ケータイがないと友達の仲間に入れないから」との子どもからの要求に負けてしまった親。これこそ子育ての放棄であり、怠慢に他なりません(うるさ型塾長はまだ吠えますヨ!)。

子どもと対立し、説得できない親がいるとすれば、それは「子どもの健全な成長を阻害した」という意味で“虐待”に等しい。我が子と面倒な対立や言い争いを避けたい気持ちは十分に理解しています。しかし、我が子を愛し、その成長と発達を真に願うならば、あえて対立と葛藤の場面を設定し、親子で乗り越えていかなければならないと考えます。

親を見て子どもは成長していきます。スマホを買ってくれた「やさしい」親よりも、頑固にも理屈をつけては買い与えなかった親に子どもは信頼を深めていくものです。親ははき違いをしてはなりません。

耳の痛いことをさらに1つ。ここ数年、私が観察する限り、小中学生でケータイ・スマホの保持者ほど精神的に幼く、自己管理能力に劣り、成績も良い方ではありません。もちろん例外はありますが。あの尾木ママも「友達関係がうまくいっていない子ほどLINEを使っている傾向が強い。そこを先生や保護者が気づいているか。」と親に向かって警告を発し、子ども達には「LINEでトラブルに巻き込まれたり悲しいおもいをしたりしないように気をつけてね」とオネイ言葉で締めくくっていました(朝日新聞3月3日付け)。

たかがケータイ、されどケータイ。『小中学生にケータイ・スマホは不要!』とは、単に道具の所持についての私の意思表明ではなく、親子の関係性や子どもの成長を今一度とらえなおすきっかけになれば、との強い思いが働いています。

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                     松田わこさん

新学年を迎えました。親子共々、フレッシュな気持ちを持って歩んでまいりましょう!!

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