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わたしのささやかな推し活~児童労働に目を向けて~

2022.09.30 塾長ブログ

数日前、コンビニでチョコレートを“大人買い”しました。
たいした金額ではないのですが、商品棚の一部がすかすかになり、思わず店員さんに「あとの方のご迷惑になりませんか?」と確認を入れました。「ダイジョーブ デーシュー」と聞きなれないが、温かみあるイントネーションで答えてくれました。

ほとんどの生徒は知っていました。有楽製菓の「ブラックサンダー」という安さが売りのチョコレートバーです。小中高生みんなに配り、休み時間に食べました。甘いものを食べているときの子どもたち、特に女の子の笑み、マスク越しでしたが、なんともいえない朗らかさを感じます。

わたしのことですから、‘ただ’では食べさせません。‘うら’(学び)が必ず用意されています。チョコにありつく前に新聞記事に目を通させます。食べた後は、わたしの“美声”(?!)を通しての読み聞かせに集中してもらいます。

新聞記事の見出しです。「カカオ『児童労働なし』へ ブラックサンダー『安くても人権配慮』」(朝日 9月27日より)
記事の内容は、有楽製菓が扱うカカオは今月15日より、児童労働に頼らず収穫したものに切り替えるというものです。児童労働の撤廃、企業をあげて全面協力するというアピールです。立派なことですね。

商業主義に毒されたオリンピックに便乗し、不正に金儲けしようとする企業があれば、原材料費や物流費の高騰、そして円安という三重苦にあって、値上げもせず、そして貧しく過酷な状況に置かれている児童の生活と命を守る有楽製菓、企業はトップに座る人間によって、こうも変わってくるものなのですね。

ブラックサンダーをみんなでいただいた後、わたしが選んだ絵本『そのこ』(谷川俊太郎、絵・塚本やすし 晶文社 2011年)を鑑賞します。帯にはこんな文面が。「ぼくたちは、いつまで働きつづけなければいけないの……? 家族は助けたいよ。でも、ほんとうは学校へ行きたいんだ。」「遠く、ガーナに暮らす子どもたちの、その過酷な生活環境を想像してみることから、この物語ははじまります。」

全世界で働く子ども(5~17歳)の数は、1億6000万人(男子9700万人、女子6300万人)と推計され、世界の子どもの10人に1人が児童労働にたずさわっています。驚くことに、5歳~11歳の子どもの児童労働者数が全体の半数を占めているのです。

ウエルの生徒には「宿題」が出ます。ユーチューブで‘児童労働 カカオ’と入力し、そのありのままを肌で感じなさいと。5・6歳の子が学校へも行けず、お母さんにも会えず、ひたすら農園で重労働を強制させられている現状、わたしたちに何ができるか考えてみようと。

試みに、わたしも物好きなのでしょうか、某有名製菓会社のお客様相談室に問い合わせてみました。「児童労働によるカカオを使用していますか? 有楽製菓は児童労働撤廃を推し進め、児童労働によって得られたカカオを使用しないと公表しましたが。」実際は、もっと婉曲的に、丁寧な言葉を使ってお尋ねしました。

「お待ちください。上のものに聞いてまいります。」3分ほど経過し、「適切な労働条件のもとで生産しています。」と端的に答えてくれました。「児童労働に頼っていますか」とさらに聞きなおすと、「適切な労働条件のもと……」と同じ言葉が繰り返されました。国会で苦境に立たされた官僚答弁よろしく。丁寧にお礼を言って、電話を切りました。

なんとなく疲れを感じた時や、小腹が空いた時など、チョコレートに手が伸びます。これまではしゃれたデザインのやや高めのチョコレートを買っていましたが、今後は児童労働の撤廃に積極的な会社の商品のみ購入します。生徒たち、保護者の皆さんにも協力してもらいましょう。わたしのほんのささやかな「推し活」です(推し活という言葉の使い方、これであってます?)

最近入塾してくれた小学生のお母さんが見えられて、「最近、ニュースをよく見るようになりましたが、先生、何かアドバイスでもしていただけましたか」とのご報告をいただきました。

国語の授業の一環として、小学生新聞の熟読や天声人語ならぬ天声子ども語の要約訓練を取り入れています。他のお母さんからも、「小学2年の娘が、大人の文章をあんなにも上手にまとめるなんて驚きました。」とのうれしい一報をいただきました。

子どもたちには、教科の勉強だけでなく、人間に関わるあらゆる問題について学び、考えてもらいたいと思っています。特に、弱い立場に置かれている人たちへの学びほど、子どもたちを大人に、そして人間的な成長を促してくれるものはありません。

本日もお読みいただきありがとうございます。

昨日は沖縄のお酒、泡盛をオンザロックで堪能しました。
何とも言えぬ後味に大満足。

沖縄のなんというホテルか忘れましたが、試飲大歓迎の酒店が併設されていました。
いやー、飲みました、飲ませていただきました。販売の方が優しくて楽しくて。夕食時にはすでに出来上がっていて、ディナーも半分くらいしか食べられなかったことが。フードロスですね。大反省!!

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