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“受験ごときで、子どもをつぶしてはいけない”

2022.09.15 塾長ブログ

わたしは人に弱みを見せることが苦手な典型的な“昭和人”。
今度ばかりは見せないというより、隠しきれませんでした。

夏期講習終了(8月4日)と同時期に何度目かの腰痛に見舞われました。年のせいか、これがひどく痛み、いっこうに治る気配がないのです。

小学校4年から空手を習い、同時にある人の誘いで本格的に相撲にも取り組みました(これでも、団体で全国大会まで進み、以前の国技館・蔵前国技館のまばゆいばかりの土俵で活躍…はできませんでしたが)、6年生からは野球に打ち込みました。放課後毎日野球の練習、夜は空手と相撲のどちらかの道場できつい稽古。日曜日は大会があり……。常に肉体疲労がたまっためずらしい6年生でした。

中学では、少年野球を卒業し、バスケに夢中になりました。バスケに空手、これに連合陸上の練習が重なり疲労困憊。ある日の体育のマット運動の最中、腰に激痛が走り、しばらく立ちあがることができませんでした。

これ以来、腰痛とは憎まれ口をたたき合う“お友達”。腰痛治療にどれだけの時間とお金を投資してきたことか。定期的にカイロや整体に通って“お友達”と仲良くしていましたが、疲れからか、冷えからか、なだめすかすことに失敗してしましました。1か月半して、やっと回復しましたが、まだ違和感と再発のこわさが残っています。

9月は秋バテの時期です。皆様もどうか無理せず、ご注意ください。

雑誌『AERA』の9/19号の「受験させたい 2人目は諦めた」に目が留まりました。
中間層の給与が減り、2人目の出産を諦めたり、私立中学受験を断念したり、こういう主旨のものでした。

内閣府の調査によれば、日本の全世帯の所得分布の中央値は、1994年は509万円だったのが、2019年は374万円にまで落ち込んでいます。中でも減少幅が大きかったのが“子育て世代”で、「35~44歳」は569万が465万円に、「45~54歳」にいたっては、697万円が513万円になり184万円も激減しています。これに昨今の物価高が追い打ちをかけ、家計は厳しくなる一方です。

ついでながら、大学生の「奨学金」についても見ておきましょう。受給している学生の割合は、大学が49.6%、短大が56.9%です(2020年)。借入総額は平均で324万円。毎月の平均返済額は、17,000円。15年かかります。理系で大学院のマスター(2年間)までいると、約600万円(ウエルの講師2名の場合)になります。かっこ付きの奨学金とは、奨学金にあらず“ローン・借金”に他ならないことを示唆しています。正規雇用の40%、非正規の60%が毎月の返済が「苦しい」と答えています。大学出たら学士様よろしく“借金返済者”になるのです。20代前半の若者をここまで痛めつけてもいいのですか! 親にもふがいなさを突き付けるこんな制度を黙認しててもいいのですか?今すぐ着手すべきこと、「無利子」にすること以外ありません。いやいや、「免除」にしては?

8月にバイデン大統領は、連邦政府から借りた学生ローンの返済を、高所得者を除き一部免除すると発表しました。最大2万ドル(280万円)の返済を免除し、約2000万人が全額「帳消し」になる見通しだそうです。

若者への思いやりと期待を膨らませるバイデン流の先行投資といえましょう。
総理、見習ってください。お得意のお家芸「閣議決定」で、どうか無利子、免除を早急に決定してください。国葬批判も若干はやわらぐかもしれませんよ。

AERA記事にもどります。
当学院も、私立中学受験のクラスを開講していました。授業数が多いため利益率がよく、経営的に助かっていました。ただ、ある時期を境にやめてしまいました。「自分が小学生だったら、この勉強量と塾での拘束時間、耐えられないな」という単純な理由からです。そう、上記の通り、わたしはいわゆる体育会系の人間で、社会科学系の大学院は出たものの、小学生時代あそこまで負荷のかかる勉強は無理。自分がやりたくない、やれないことを生徒に押し付けることに一種の罪悪感を覚えたわけです。授業自体はとても楽しかったのですが、特に6年生への負荷が大きすぎました。

ここは墨田区、下町。都立志向がとても強い土地柄。区立の中学でよし、できたら高校は都立のより上位校へ、そして大学入試で一気に勝負。最も安定感があり、失敗のない受験スタイルだと確信しています。

自我意識や自然な競争意識が芽生え、将来的な展望にも明かりが見えだした中学3年生に受験を当てる、よっぽどの強引な進路指導をしない限り、大きな挫折感を味わう心配はありません。たとえ不合格の烙印をおされても、寛容なる親、教師の働きかけがあれば、有意義な高校生活がいくらでも送れます。不合格の‘借り’は、生徒とわたしの共同戦線で、大学入試で返せます。

失言かもしれませんが、“受験ごときで、子どもをつぶしてはいけない”。

今回もお読みいただき、ありがとうございます。

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