「先生、千奈ちゃんて、だーれ?」
「ニュース見なかった?」
「えっ?」
「幼稚園バスに置き去りにされて、亡くなった子」
「あまりにもかわいそうで、千奈ちゃんに飲み物を捧げたの。」
ことばも出ないですね。今日の報道はきつかった。一瞬、呼吸が止まってしましました。
水筒が空になっていた……。
服が脱ぎ捨てられ、はだかで短パン1枚だった……。
あまりに苛酷で、想像するに堪えられません。
息絶え絶えになるまで、ママ、パパと何度も何度も声にならない声を発していたのでしょう。
千奈ちゃんに心からの合掌を。
そして、お父さん、お母さんに心からのお悔やみを。
常々、生徒たちには、「この世で一番大切なもの、それは命に他ならない」と。
ひとの亡くなるニュースのたび、強く語ります。
ひとの命を奪うもの、殺人、戦争、死刑、すべてに先生は反対する。
先日も、9月1日は何の日?と尋ねると、「防災の日」と答えてくれます。「学校の先生が教えてくれた」
「では、なぜ9月1日を防災の日にしたのか、知っているひと?」
「シーン」
小学部から通ってくれた中学生や高校生のなかには、「あっ、ひょっとして、関東大震災?先生がいつか話してくれた、朝鮮人が毒をまいたとか?」
全くのデマから多くの無実の朝鮮の人たちが殺されたことなど、歴史的な事実に沿って話し、生命にたいする尊厳について学んでもらいます。
何があっても死んではならないこと、ぼろぼろの人生でも生き切ること。
何があっても人の命を奪ってはならないこと。人の命を奪うような行為に絶対反対の意思を貫くこと。
生徒たちにはあらゆる機会に、私の勝手な思いを伝えています。
還暦を超えた塾長のわがままです。
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