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”大学院”を推す~学問の喜びを伝えたい~

2022.10.28 塾長ブログ

受験シーズンの到来です。

11月第1週に中3の保護者会があり、翌週から3週間ほどかけて保護者面談があり、翌々週から中学生、高校生との個人面談ありと、忙しい日々が続きます。そう、中学3年生には、スピーキングテスト対策も行わなければなりません。

 最新の「全国学生調査」によりますと、文系の大学4年生の勉強にかける時間が少ない、こんな結果が発表されました。授業への出席も少なく、卒業研究の時間もそれほど長くなく、授業以外の学習時間も少ない(朝日新聞 11/25)。

 文系の4年生、週に何日大学に通っているでしょうか。普通に単位を取っている学生は、1日、多くて2日というところではないでしょうか。親は嘆く。奨学金を受給している学生もため息が。週1日で年間百万円の費用とは!

高校生にはむかしから大学院を推しています。

「大学へ入学し、勉強がおもしろくなってきたら、ガッチリ勉強しこんで、大学院へ行きなさい」と。「調査研究し、論文をものにする。筆が進まず、苦しく、つらい時もあるけど、学問ほど有意義で、愉しく、人を感動させてくれるものはない。これまで靄(もや)がかかっていた山に、突然陽が射し込んだ時のあの喜びは、まさしく忘我、至福、エクスタシーの境地。わかった!そうだったのか!本当に脳内に雷鳴がとどろくんだよ」と。

 中学、高校、大学までは「勉強」。字のごとく「強いて勉める」もの。指示され、暗記するといった受身学習。大学院になると「学問」=「学(まね)び、問う」もの。これまでの研究成果を学(まね)び尽くし、その上で自らのオリジナリティーを発揮するといった能動的学習。“知る喜び”と“わかる感動”の連続で、本当に愉しかったです。

紀要に掲載される論文は、教授陣や他の大学院生の目にふれるので、相当のプレッシャーがかかるのですが、今思いかえせば、作家遠藤周作氏がかつて小説の創作は自分にとって「苦楽しい(くるたのしい)」と語ったごとく、心からの充実感が得られました(たいした論文は1つも書けませんでしたが)。

学問にふれ、芸術的な感動同様、学問的な感動の味をぜひ知ってもらいたい。学問そのものが、生きる喜びそのものになる、断言できます。 

 確か本居宣長のもとに集まる弟子達の会話だったか。弟子といっても、大商人であるだんな衆の1人が、「これまで女、酒とさんざん道楽をくり返してきたが、学問ほど贅沢で、感動に満ちた道楽はない」旨、語っています。

 同感です。私が今、塾を引退し、経済的にも時間的にも自由になれたならば……。
五木寛之氏が断筆し、数年間京都の大学で仏教にはまり込んだように、大学なり大学院の門をたたくこと、まちがいありません。こうして仮定法の文を書いているだけで、わくわくしてきます。

1人でも多くの生徒に、勉強の、学問の「苦楽しさ」を伝えていきたいと思います。

と言いつつも、学費の問題が。
給付型の奨学金が待たれます。政府に、プレッシャーをかけていかねばなりません。
わたしたち大人の務めです。

本日もお読みいただきありがとうございます。

数日前、進学研究会主催の高校入試説明会に参加しました。
分かりやすい説明と数字の背後に隠れた意味など、とても勉強になります。

ただ、会場が狭く?参加人数が多く? 後部座席が密状態で気の毒でした。
参加費無料と良心的なので、仕方がありませんか。

進研さんへのお願い。説明会はもっと広い会場で、もうひとつ、Vもぎのネット予約がつながりにくい。ご検討のほどを。お付き合い30年以上の‘おじさん塾長’からのお頼みです。

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