塾長ブログ

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女性受難の時代です

2016.01.26 塾長ブログ

今日はテレビに録画しておいた番組を2本ほど見てから、塾に来ました。テーマは「女性の貧困」です。御存知でしょうか、単身女性(20~64歳)の3人中1人は、手取り年収122万未満で暮らしているという最新のデータを。シングルマザーや「下流老人」を含め、女性の貧困の切実な現状について、メディアはもっともっとスポットを当て、政治に反映させていくべきです。

放送局は異なるのですが、紹介された女性(二人とも女子大生)に共通するのは、地方から上京し、家庭の経済的事情から、学費だけでなく生活費などすべてをやりくりしなければならない苦学生ということです。親の倒産、借金、離婚をまじかに見てきました。働くにも、時間的な限界がある。A子さんは、400万の奨学金を負いながら、子宮が腫れてしまうほど働き、過労でついにはダウン。休養後はお金のためキャバクラへ。B子さんは上位大学に合格するも、やはり過労のためうつ病を発症してしまいます。ある時期はバイトに行くための交通費もなく、毎日泣いて暮らしたそうです。体の回復後に行き着いた先はAV女優。

一般学生の学業とアルバイトの両立というかるい話ではなく、生き死に関わる苦境そのものなのです。あまりに気の毒で、涙を催します。それにしても女性の雇用状況や経済的な自立がこれほどまでに厳しい先進国はめずらしい。まとまったお金を稼ぐには、水商売か性風俗しか選択肢がないのがつらい。

マタハラに象徴されるように、日本の文化には“男尊女卑”の思想が根深く巣食っています。1990年には20%だった非正規雇用比率が、40%という大台に達してしまいました。そのうち男性比率が20%に対して、女性は何と60%(5人中3人!半数は正規雇用を希望)です。年収200万以下の給与所得者は、男性は約10%、女性は43%。平均給与は男性が502万に対し、女性は268万。女性はこの20年間ずっと低い賃金で抑えられたままなのです。これを差別と言わず何と言う!

別名“アホノミクス”とか“アベノリスク”(リスクとは「危険」の意味)と良心的な経済学者に揶揄されるアベの何とかには、2020年代半ばに出生率を現在の1.4から1.8にする、などと選挙目当て見え見えの“矢”があるそうです。あきれるばかりなのですが、歴代の自民党政権の雇用政策や無策そのものが、非正規雇用の比率を引き上げ、女性を貧困に陥(おとしい)れてしまった、こうした自覚や自己反省が全くないのです。出生率を1.8にする、誰が信じるというのでしょうか。

女の子には一定の覚悟を決めさせておかなければならない時代が来てしまいました。いまや、5人中3人は非正規で一生を終え、3人中1人は、手取り年収122万未満の貧困に苦しめられる。恋愛や結婚、出産どころの話ではありません。親にパラサイトできる子は幸運です。ここでもいやな言葉、「親の格差」が子どもに連鎖するという問題が出てます。

親と子の距離が近くなりすぎて、子どもの精神的自立が遅れる傾向にあります。さらに、上述のように、社会経済的な自立にも困難さが増してきます。教育の最終目標を人格の陶冶とともに、「精神的・社会的・経済的な自立」とした時、私たち親は子どもに対してどのように関わっていったらよいのか、何を伝えていかなければならないのか。この1年、ともに考えてまいりましょう。

※3月1日より、新学年としての授業が始まります。詳細については来月の中旬にお配りいたします。

※新入生大募集です。 新中1はあと2名、新中3は1名にて満席になります。(新中2はすでに満席)  小学生、高校生待ってます!  

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