塾長ブログ

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親子間の愛と学習意欲

2014.05.07 塾長ブログ

ある都立高校の推薦入試の日。

小論文試験を終えたその男子生徒は、次の集団面接までの時間を推しはかり、校庭に出てきました。都会の中心に立地しながらも、落ち着いた雰囲気を持つその高校が気に入ったようです。
ベンチに腰掛け、手持ちの雑誌に目を運ばせます。表紙にはNewtonと大きく記されています。そうです。中・高校生ではなかなか手にすることはない科学の専門雑誌です。あの小保方さんなら何度も見開いた経験があるでしょう。

一章を読み終えたのか、男子生徒は雑誌を置いて、バックからおもむろにえんぴつと白い紙を取り出して、校舎の写生を始めました。

他の受験生はと言えば、待合室で、時間を惜しむかのように、懸命に入試問題集と格闘しているのです。Newtonと写生、「男惚れ」ならぬ、「生徒惚れ」します。ひとこと、かっこいい! どんな家庭環境に育ったのでしょうか、ぜひ話を聞いてみたいですね。以上、今年の日比谷高校での一場面でした。

 

さて、裏面は新聞からの引用(省略)です。2013年に実施された全国学力調査(小6と中3が対象)の分析の一部です。今回、皆様に注目してほしいのは、学習意欲と親子間の信頼関係(第3段傍線部)という視点です。

この仕事を続けて30年以上経ちます。その経験から学習意欲について、抽象的ですが、次のような法則性があることを記しておきたいと思います。

①自尊感情・自己肯定感が高まれば、子どもは自ずと学習へと向かう。

②親子間に信頼関係が成立し、親を好きと言える子どもは、自ずと学習へと向かう。

親に愛されているという実感を強く持っている子、そして何らかの直接体験から、自分に自信を持っている子、こうした恵まれた子は、親が言わなくとも自然に勉強に向かいます。勉強してあたり前の生活習慣を過ごします。そういった意味で、子育てとは、わが子の自己肯定感を高めていく営みとも言えそうです。勉強でも、運動でも、芸術でも、たとえその資質や能力に劣っていても、その子なりの目標設定のもと、自信力を育てていかなければなりません。

生徒との個人面談では、裏ワザを使って、各生徒から本音を引き出します。勉強に後ろ向きな生徒の一部?多く?は、「早くこの家を出たい」「親(父or母)から早くはなれたい」との、強烈な言葉を平然と放ちます。客観的に親を眺めて、「好きでない」「嫌い」との、親にとってはつらい“決裂宣言”を私の前でノタマウわけです。

親のことがあまり好きではないですから、親が喜ぶであろう勉強や成績の向上に、あえて消極的になるのです。

一方、好きでなくても・嫌いでも(告白すれば、私は父親が嫌いでしたが)、自分の意思をしっかり持って、一生懸命学習に向かう子ももちろんいます。でも、こういう子は、どこかアンバランスであったり、不安定であったり、勉強への動機付けがまっとうでなかったりします。

 

そうです。クリスチャンではないのですが、お互い愛し合わなければ、人間的な成長は遂げられないと言うことです。私たち親側の未熟さ、傲慢さ、不勉強をこの機に反省し、謙虚な気持ちで子どもと関わってまいりましょう。私ももっともっと勉強して参ります。

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