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高校生からの相談

2013.07.01 塾長ブログ

この1か月で4人もの生徒から相談を受けました。相談内容は大学の学部選びに関することです。ウエルの卒業生(高3生)も訪ねてきて、高校を辞めたいと訴えていました。これもひとつの『6月病』なのでしょうか。

 実は、学部選びなどは、そう難しいことではありません。とりあえずは塾に備え付けの学部案内という分厚い本をしらみつぶしにあたっていけばよいのです。高校1,2年で決められないのはごくあたりまえ。社会が見えていないし、自分が見えていないし、学部の知識も中途半端。焦る必要は全くないのです。高3の秋口までには自然と決まってくるものです。そういう意味で、難しくはありません。

 

 学部選びという相談の背後に潜むのは、単に学部の選択の問題ではなく、『現在の自分、そして将来の自分ないしは生き方に対する不安』に他なりません。高校を辞めたいと言ってきた教え子も同様でした。「自分は、こんな環境にいて、こんな生活をしていていいのだろうか。他になすべきことがあるのではないだろうか。」こんなことを私に問いかけてきました。

 私もいつまでこの仕事を続けられるか、不安です。老後のことも不安です。同様に、高校生も、将来自分は何をすべきなのか、どう生きるべきなのか、こんな自分で大丈夫なのか等々、いろいろな不安に悩まされています。親の前では言葉に出さなくとも、出せなくとも、高校生の内面はいつも揺れています。精神の悩みだけでなく、行動面の悩み、身体の悩み、経済的な悩みもあることでしょう。

 高校生の相談を受けるとき、私が常に念頭に置いているのは、『具体的なアドバイスや解決策を急がない』ということです。 「先生、どうしたらいいのでしょうか?」という相談の90%は、「先生、私の話を聞いて下さい。私の気持ちを受け入れて下さい。」という心の愛着を求める訴えです。

 お母さん方が、旦那さんに何らかの話を持ちかけるとき、具体的な解決策を期待するよりも、「とりあえず、私の話を聞いて!私の心情を察して!」ということではないでしょうか。高校生も同様です。

 ときには、カウンセリング・マインドを持って我が子と対話をしてみて下さい。これまで気づかなかった意外な面を発見できるかもしれません。余計なアドバイスなどはいらない。ひたすら聞く。聴く。心で聞く。あいづちを頻繁に入れながら。

 親や教師が考える以上に、子どもは自己成長力をもっています。

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