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4月30日(木) 「9月入学制」案浮上

2020.04.30 塾長ブログ

緊急事態宣言について、5月6日までの期限を延長するようですね。

今夜、正式発表のこと。

 

臨時休校が長引く中、9月入学・始業をめぐる議論が浮上しました。

 

それには2つの背景があります。

 

1つは、休校が長引き、地域や家庭によって教育の格差が拡大しているとの現状認識です。

 

一方で、家庭教師をつけたり、オンラインによって授業を継続していたり、他方で、ほっぽらかしの放任で、宿題にも手を付けていない。この両者の差はとてつもなく大きい。

 

2つは、小池都知事も強調していた「グローバル・スタンダード」(国際基準)です。確かに欧米諸国のほとんどは9月入学です。この際、日本もこれに合わしたら、という意見です。

 

あの尾木ママも「このままでは、子どもたちが休校となった分を埋めようとする詰め込み教育につぶされかねません。(中略)海外と同じ9月入学ならば、……日本の学生が海外企業に入社したり、日本も海外の優秀な人材を獲得しやすい。9月入学は日本をグローバルスタンダード化する可能性があります。」と。

 

わたしも9月入学には反対しません。

ただし、制度改革におけるプロセス(過程)のあり方から反対します。こんな大改革を2,3か月で成し遂げるなど、社会政策論上ありえません。

 

やがて犠牲を被るのは子どもたち・学生なんです。

 

特に、成績からいって下位にある生徒・学生です。

 

ひと言だけ、教育改革を見て取るとき最も大切な視点は、成績下位の生徒・学生にとっていかなるものか、ということです。

 

尾木ママもまっとうなことを述べて批判の余地はないのですが、しかし内外の優秀な学生云々との言葉にあるよう、優秀でない学生の視点が欠落していますね。

 

たとえば「Fランク」と言わば差別的に表現されている大学の学生にとって、このグローバルスタンダードなるものは、いかなる恩恵があるのか。そのへんの説明が全くありません。

 

エリート層だけにメリットがある改革は、とりあえずNO!です。

 

かっこうつけてるわけではないのですが、常に社会的な弱者の立場に立ってものを見よ、生徒達には力説しています。

 

 

いきなりですが、

わたしの海外旅行初体験は、22歳のとき。大学院にもどうにか合格できて、今でいう卒業旅行としてフィリピンへ。観光ではなく、マニラをひとめ見る貧乏旅です。

 

当時のマニラ、メインストリートから外れるほど貧困の差が目にも明らかでした。観光客が決して入ってはいけないエリアへ。

 

ショッキングでしてた。心臓が止まるほどの衝撃を受けました。

言葉にならないほどの貧しさ、貧しさ……。

 

わたしの勉強は、このショッキングな体験から始まりました。あの貧しさを直視して以来、ものごとを、社会を、政治を、経済を、教育を社会的な弱者に立って考えるという姿勢が出来上がりました。

 

なんともおそまつな体験記でした。

生徒達には詳しく話したりしています。

 

以上、皆様のご健康をお祈りして。

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