中3生からのわたしへの悩み相談の中で、毎年挙げられる1つが、「勉強にやる気が出ないときは、どうしたらよいですか?」というものです。
そもそも勉強とは何ぞや、といった哲学チックな問いではなく、一時的な“気分”の問題としての相談といたしましょう。
生徒達には、大きく2点に分けて回答します。
1点は、勉強に向かうまでの2つの準備です。
1つ目は、心の準備。中高時代の話をします。わたしは、兄や姉に倣って、コーヒーを飲むようになりました。インスタントですが、お湯を沸かす→カップにコーヒーと砂糖、粉ミルクを入れる→お湯を注ぎ、かき回す→自分の部屋まで、こぼさず持っていく→机に置き、静かに腰を掛ける。
この一連の動作が完了する(腰を掛ける)と同時に、勉強スイッチが入ります。生徒にも、自己暗示的な自分なりの行動を考えて、自分の心を誘導してごらん、とアドバイスしています。
もう1つの準備は、あらかじめその日の学習すべき材料を机の上に置いておくことです。やる順番と作業時間を決め、時計とにらめっこしながら取り組みます。
さて、もう1点は、やる気が出ないその“気”をどう扱うかです。
わたしの回答は、「やる気が出ないという状態で構わないから、とりあえず作業に取り掛かりなさい」というものです。「ほかのことをして、気分転換を図れ」、こういったアドバイスはしません。気分転換が癖になっては効率が悪いからです。
やる気が出ない自分を否定する必要もなく、鼓舞することもなく、そうした自分を客観視して、ひたすら作業に向かえばよいのです。ノリが悪くても気にしません。集中力に欠けていてもいいのです。大切なことは、自分の気分や、感情に引きずられない訓練をすることです。気分や感情がどうであれ、ともかく行動しているという「行動優先」の発想を定着させたいのです。
入試直前、だれもが不安やプレッシャー、緊張状態に置かれ、なかにはそれらに押しつぶされて力が発揮できない受験生が少なくありません。
わたしが生徒たちに訴えかけるのは、プレッシャーはあって当たり前。不安は受験生の‘お友達’。プレッシャーや不安を「克服する」などは不可能。克服するのではなく、それと共存しながら、今やるべき作業、行動を淡々と進める、このことを心の中心に置いておこう、と。
「やる気が起きない」という問題を、一時的な気分の沈滞という面から見て、その対処法のひとつを述べさせていただきました。
ここで注意しておくべきことは、単なる一時的な気分の問題なのか、それとも勉強や受験に真正面から取り組むことを邪魔している根深い問題が隠されているのか、この点を見極めなければなりません。
後者であれば、それこそ前回のブログではないですが、「聞き屋」に登場してもらわなければなりません。
寒暖差の激しい毎日です。
ご自愛くださいませ。
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