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この4つの数字は見逃せない

2022.07.15 塾長ブログ

わたしの仕事のひとつは、各生徒の良さや美点、持ち味を引き出して、それを生徒や親に言葉にして伝え、評価することにあります。

 

しかし、こと日本の現状を見る限り、評価するものを見つけ出すのに苦労します。逆に、負の面があまりに際立って、腹立たしくなります。愚痴っぽい話になりますが、お付き合いください。

 

以下に挙げる4つの数字、よく引き合いに出されますが、いかが感じられますか。

 

①    国の借金1200兆円。 赤ちゃんも含め、日本人1人当たり1000万円弱の借金を背負っているのです。子ども世代、孫の世代が返済しなければなりません。こんな罪作りな財政政策でよいのでしょうか。成長戦略なき歴代政府の失策です。

 

②    実質賃金上がらず、24年間で最低に。 OECD加盟国の中で、日本だけが実質賃金が下がっています。24年前を100とすると、仏=132、英=130、米=122、そして日本はなんと89です。貧困と格差の拡大で、2020年の日本人1人当たりのGDPは世界33位まで落ち込んでいます。かつてのエコノミック・アニマルもいまや瀕死状態です。昨今の物価上昇や円安に対して、打つ手無しの、無能力をさらけ出しています。犠牲になるのは、決まって経済的弱者です。もっともっと怒らなくてはなりません。おとなしすぎます、日本人は。

 

③    ジェンダーギャップ指数、146カ国中116位。 選挙も終わりました。政府は、世界に向けてリアルな姿をありのまま伝えればよい。「日本は経済的にも、文化的にも男女不平等な国ですよ。男尊女卑という文化をかたくなに守っています。オヤジ世代のアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)にはどうか目をつぶってください。」と。

 

桜田何某元五輪担当大臣が、街頭演説(7/4)でこんなことを。

「男の人は結婚したがっているんですけど、女の人は、無理して結婚しなくてよいという人が、最近増えているんですよね。嘆かわしいことですけど。女性も、もっともっと、男の人に寛大になっていただけたらありがたいなと思っている。」

 

あの元総理の「女はわきまえろ」と全く同質の暴論です。

あまりのレベルの低さに、批判する気も起りません。こうした時代錯誤のオヤジ連中が政権を握っている限り、男女平等の実現はほど遠いと言わざるを得ません。

お母さん方、心からの怒りをぶつけてください。

 

④    日本の子どもの精神的幸福度は38ケ国中37位(2020年9月 ユニセフ) 以前にもご紹介したデータですが、あらためて日本の子ども達(調査対象は15歳)の生きづらさに目を向けておかなければなりません。

 

20年の小中高校生の自殺者は499人で、過去最多。先進国の中でワースト1の自殺率です。

未遂を加えたら、1年間でこの数倍の数の子どもたちが自死という選択をしたことになります。

 

生活全般の満足度も62%で、平均値=76%にも及びません。トップはオランダの90%です。

 

以上の4つの数字から日本の置かれた経済的、社会的、文化的そして教育的なリアルを垣間見ることができます。

子どもの精神的幸福度に関しては、経済的な問題(子どもの相対的貧困率)や家族円満の度合い、学校での友達関係、自己肯定感の高さ、思春期特有の精神的・肉体的な悩み、そして15歳という年齢軸からは高校受験・勉強上の悩みなど、様々な局面からわが子を見つめていかなければなりません。

 

しかし、難しく考えないでください。

部活に精を出して、時間を守り、食べ、寝て、しゃべり、笑い、悩み、泣きという、人間としての基本的な身体性が整っていれば、子育てに神経を使う必要はありません。

 

それからもう1つ、「子どもが勉強しないという不満」。

勉強はそもそも面倒くさいもの。子どもは面倒くさいものは好きになれないし、離れていたいもの。

勉強は子どもの課題。ウエルの課題。「お母さんは、子どもの課題に入り込んではいけません!」(アドラー博士より)。

 

さて、大切な夏の講習が始まります。確実な実力の向上を図ってまいります。

 

夏期講習:7/21~8/4(7/24・28・8/1はお休みです)

後期講習:8/21~8/31(8/24・28はお休みです)

 

第2学期は9/2(金)より始まります。

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