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ウクライナ民話『てぶくろ』と国語の授業風景

2023.02.28 塾長ブログ

ウエル学院平野進学教室  曳舟 東向島 墨田区の学習塾からのお知らせです。

 

昨日の小学生の国語の授業風景です。

 

ロシアによるウクライナ侵攻から1年が経ちました。

 

絵本の読み聞かせをいたしました。有名な 『てぶくろ』 です。

あらすじはこうです。「おじいさんが森の中に手袋を片方落としてしまいます。雪の上に落ちていた手袋にネズミが住みこみました。そこへ、カエルやウサギやキツネが次々やってきて、「わたしもいれて」「ぼくもいれて」と仲間入り。手袋はその度に少しずつ大きくなっていき、今にもはじけそう……。最後には大きなクマまでやって来ました。手袋の中はもう満員!そこにおじいさんが手袋を探しにもどってきました。さあ、いったいどうなるのでしょうか?」(福音館書店より)

 

このお話、作者名は不明です。そう、昔から伝わる民話なのです。あのウクライナの。

 

生徒達にはまず表紙を見てもらいます。 「何か気づいたことはある?」 「シーン」 「絵だけでなく文字もよく見て」 小学2年生の子が発見しました。 「あっ、ウクライナ!」

 

この生徒、家ではニュースを欠かさず見ています。時事問題に強い‘ウエルっ子’そのものです。

 

さて、読み聞かせが終わると、「百字作文」に取り組みます。むかしからわたしは「読書感想文」には消極的です。わけあってほとんど書かせることはありません。あんな“苦行”をさせるなら、他の作品を読破させていった方がよいという考え方です。読書感想文は読書嫌いの一因にさえなります。

 

百字作文の1つ目の課題は、「こころにズキンと来た場面と、その感想」。

 

2つ目の課題は、「テーマ」(作者が読者に伝えたいこと)を百字で考えてみる。

 

テーマに関して、先ほどの2年生(二寺小 Y・H)の作文をご紹介します(保護者に承諾を得ての紹介です)。

 

「作者が読者に伝えたいことは、心が広い人になってほしいということだと思います。

なぜなら、すでにぎゅうぎゅうだったのにくまを手ぶくろに入れたのは、心が広いということだからです。」 (88字)

 

2段落構成で、頭の一字も空けてあります。

わたしの手は入っていません。こう書きなさいなどのアドバイスも一切ありません。

字もしっかりしていて(昨年末、ペン習字で区展にも選ばれました)、言葉遣いも内容も立派ですね。

 

国語の授業はまだつづきがあります。

朝日小学生新聞・一面の音読です(毎週、要約作業が日課になっています)。

ウクライナからの現地取材の記事を扱いました。学校などの教育機関3139か所が被害を受け、そのうち441か所が完全に破壊され、若者たちのボランティアによる再開活動が盛んであるなどの報告がなされています。ちなみにウクライナ人の死者数は8000人を超え、そのうち487人が子どもです。何の罪もない子どもたちが。

 

小学生に音読をやらせると、正確に、間違えないように読もうとするため、‘気’の入っていない棒読みになりがちです。ところが、Y・Hさんは明らかに意味を理解しながらの音読で、説得力のある発声にも感心させられます。

 

ウエルの小学部は、進級式・到達度別の教材を使っているため、たとえば小学校2年生のY・Hさんはすでに算数も国語も5年生レベルまで進めています。わたしとの1対1の個人指導だからこそ、可能になります。

 

国語は論理をおさえると同時に、小学生時代は“心を揺さぶる”内容を取り入れるのが必須と考えています。名作をたくさん読ませます。絵本も読み聞かせます。小学生新聞で、社会の出来事を自分事として考えさせるようにします。

 

“心を揺さぶる国語の授業” ウエル学院の教育目標のひとつです。

 

 

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