オミクロンに翻弄される毎日です。
都立入試までのあと1週間、生徒やご家族、そしてわたし自身、感染しないことを祈るばかりです。
塾に来てまず向かうのはパソコン。保護者からのメールを開けるときは、緊張します。「どうか、受験生が感染していませんように」との願いを込めてクリックします。
今月下旬に3回目のワクチン接種を受けるのですが(ワクチン嫌いのわたしの本心は、3回目は打ちたくないのですが)、ワクチンの可能性は計り知れないと聞いています。
将来的には、すべての病気に対して予防薬としての開発が進み、がん、アレルギー、アルツハイマーなど、ワクチンで予防ができる時代が来るそうです。さらに、ワクチンは予防薬としてだけではなく、がん細胞を攻撃し破壊できるとの臨床研究もすでに始まっているようです。まさに日進月歩です。
さて、受験に関するお話をひとつ。
共通テストの漏洩事件がマスコミをにぎわせました。
「東京の上位大学に入りたかった」との供述が報告されました。魅力的に映っていたのでしょうね、東京の女子大生が、それも高偏差値の。
あの緊張した場面で動画写真を撮り、協力者に送り付けるとは何とも大胆で、あっけにとられます。
まずは、親や教師が率先して「合格したら天下」という発想を改めなければなりません。
入学するまでのプロセスが大切なのです。
さらには、入学後の「イキイキ感」、日々の充実がなされているかが、わたしが言うところの『真の合格』です。
ただただ合格する・合格させることに意識を集中させることの怖さを、特に親は自覚的でなければなりません。
不正をしてまで、友情を絶ってまで合格して何の得(徳)があるのでしょうか。
入学後、燃え尽き症候群から抜け出せないでいる学生・生徒がどれほどいるのでしょうか。
何のための受験なのか、受験にどんな意味があるのか、何のための大学(高校、中学)なのか、親も教師も改めて熟考しなければなりません。わたし自身の反省を込めて。
じつは、わたしがお話したい受験の話とは、この漏洩事件ではなく、今年度の共通テストの数学なのです。
共通1次➡センター試験➡共通テスト(2年目)という40年以上に及ぶ中で、今年度の数学ほど受験生を泣かせた年はありません。
昨年度に比べ平均点は数学ⅠAが58点から38点に、数学ⅡBが60点から43点に急落しています。
当日、ネット上は悲痛な叫びであふれかえりました。
「会場からすすり泣き…」「隣の人 共通テスト数学ⅠAの問題 破ってて 草」「数学ⅠAの試験中は涙が出そうだった」「試験中 浪人確定だと思った」……(朝日新聞EduAより)。
わたしが入試問題にあたるとき、出題傾向や難易度を図ることはもちろんですが、実際に解く受験生の「心理」も探ります。
今年の場合、ⅠAの前半でその問題の重さに冷静さを失ってしまうと、後半の問題のみならず、ⅡBの「国語の読解問題」ではないかと揶揄される長文数学も全滅の可能性があります。前半の「できなさ感」が後を引き、プレッシャーとなって数学的な思考に負の影響を与えます。相当のメンタル面でのタフさがないと、今年度の数学はお手上げでした。
できなかった時の落ち込み、不合格後の悲痛、でもまだ受験は終わっていない。
「切りかえよ!」とはいたって無責任な励まし。ひとの心、そんなにたやすく切りかえができるものではありません。
予備校とは異なり、ウエルでは高3生も、中3生も2月下旬まで毎日塾に来て(それも15時くらいに)、わたしだけでなく友達とも顔を合わせ、もちろん授業あり、個人的に押し付ける宿題あり、面談あり、おしゃべりありの日々を過ごします。
お母さんとのメールのやりとりも欠かせません。
「心の切りかえ」とは、“心の環境”ではなく、“勉強する環境”を整えてあげることにあります。
キーワードは“あったかさ”にあります。身体性にあります。
結局、ウエルの教室の抜群の喚起の良さにあまえて、準備しておいたリモート授業はやりませんでした。
アナログ人間のわたしは、生徒の存在が直接に肌に感じられないと、いい授業も、いい関わりも、いい話もできそうにありません。
来年度もパワーアップして、生徒とともに歩んでまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
新年度生 大募集です。
中学、高校部とも1クラス12名です。
ひとり一人 愛情深く、丁寧に鍛えていきます。
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