
墨田区 東向島 学習塾 ウエル学院平野進学教室からのお便りです。
何度行っても沖縄はいいですね。
あの透明な海がいい。大きく澄んだ空がいい。そして飲と食がたまりません。
ただし、決してあのむごたらしく地獄絵の沖縄戦が頭から離れることはありません。
高校生が修学旅行で沖縄へ行くと聞くと、おせっかいなこの塾長は「行く前にこれ読んでごらん」とタブロイド判「知る沖縄戦」(朝日新聞社)を手渡します。
当人から、「あの新聞のおかげで、現地での見学ツアーがより身近に感じました」と感謝されもします。
6月23日(沖縄慰霊の日)以降の授業初めは沖縄戦についての話をします。
沖縄の歴史について知っておくことは、子どもだけでなく大人にとっても必須の教養(社会常識)のひとつと考えます。沖縄抜きに日本の戦後は語れませんから。
ちんすこうをお口に入れたら、「地上戦」と「ひめゆり学徒隊」について学びましょう。
紅芋タルトを食べたら、「対馬丸事件」と「鉄血勤皇隊」について思いを馳せよう。
冷えたオリオンビールにありつけたら、「鉄の暴風」と「集団自決」、
ストレートで泡盛をかっくらうなら、「日本軍兵士によるガマの追い出しと住民殺害」……。
戦後途切れることなく多くの歴史学者や歴史学会が、沖縄に関する研究を積み重ねてきました。
歴史的な証言や客観的な事実を丁寧に拾い上げて、社会科学的な手法によって論文や著作にまとめてきました。
ところが、最近また自民党の某国会議員が、「沖縄は、地上戦の解釈を含めてかなりむちゃくちゃな教育のされかたをしている」 「歴史を書き換えている」など、公の席で無知丸出しの暴言を吐いて、沖縄県議会から抗議決議を受けたばかりです。
石破総理まで登場して、「自民党総裁として深くお詫びを申し上げる」とデニー知事に直接陳謝しましした。
良識があり、深く学問にふれた経験のある議員であれば、歴史に関わる発言をする際、官僚の助けを借りるなりして十分な予習と理論武装をするものですが、この議員は何の勉強もせず、これまでの研究成果に立脚することもなく、虚偽で歪曲したひとりよがりの「歴史観」を放ったのです。
生徒達には言い含めます。
『大学へ行く意味は、ただ1つ、学問(Science)にふれるため』と。
学問する者は、科学性、客観性、論理性、理性には絶対服従する。
この絶対服従の長期にわたる連続作業こそ、大学生の本分であり能力の開発に他なりません。
本日もお読みいただきありがとうございます。
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