8月の集中授業(8/21~8/30)は、生徒達に好評だったようです。
国語の読解テキストとしてコナンよろしく、推理ものを導入し、読み聞かせも毎日行いました。
教え子で小学校の教員志望のNさんに読んでもらい、今年早稲田に現役で合格したA君にも手伝ってもらいました。3人体制での小学部。活気があり、充実していました。
8/21 丸木俊『ひろしまのピカ』(小峰書店)
8/22 山口勇子『おこりじぞう』(金の星社)
8/23 児玉辰春『真っ黒なおべんとう』(新日本出版社)
8/25 松添博『ふりそでの少女』(汐文社)
8/26 金城明美『つるちゃん』(高文研)
8/27 『ひめゆり』(ひめゆり平和祈念資料館)
8/29 野坂昭如『凧になったお母さん』(NHK出版)
8/30 安里有生『へいわってすてきだね』(ブロンズ新社):CD『にん げんをかえせ』
8月という時節柄、戦争や原爆関係の作品を選びました。すべて絵本です。
絵本には小説とは異なる説得力があります。子ども達の心を縦横無尽にかき回すパワーを持っています。この心の動き、喜怒哀楽という心の振幅が、小学生にとってとても大切なことです。人格の形成にとって、絵本や良書との出会いは不可欠です。
本に向かわない子は、どうしての心が平坦になり、奥行きが感じられません。「出来事作文」や「感想文」を書かせても、自らの心の揺れを言葉に置き換えられず、おもしろみに欠けます。
絵本の読み聞かせ後、感想文(「百字作文」)を毎回書かせました。残念ながら予想していた以上に、文章が書けていません。学校では、お遊び英語や総合などに時間を取られ、“書く”ことがないがしろにされています。
主語と述語が一致していなかったり、「感想」なのにひたすら「あらすじ」を書きまくっていたり、作品のテーマからかけ離れたものであったり……。読書習慣のあるウエルの生徒がこの程度ですから、そうでない小学生は! 危機感を感じました。ウエルでも書く作業を取り入れなければならなくなりました。
御家庭内で出来ること、1つは読書のすすめ、2つはお父さん、お母さんの我が子との豊かなコミュニケーション、これにつきます。
かなしいかな、親がボキャ貧だと子どももそれを引き継ぎます。主語と述語があいまいだったり、修飾語が貧弱な会話を続けていると、子どももつたない描写をするようになります。おおきなことば、おとなのことば、洗練された言葉を子どもに伝えていかなければなりません。
父へ。「疲れた。ふろ。ビール。メシ。」はご法度ですぞ。
主語を明示する。助詞を付ける。述語をしっかり入れる。状況に応じた修飾語をもる。「お風呂あがり、お母さんが注いでくれたビールは格別においしい。お父さんにとって至福のひと時だよ」。
子どもが「お父さん、‘しふく’ってどういう意味?」と聞いてくるような、言葉に敏感な家庭環境を理想とします。
あらゆる機会を‘それとなく’子どもの学習に置き換えたいのです。
「先生、沖縄行ってきたよ」とくれば、「ひめゆり平和祈念資料館はどうだった?」
「ハワイよかったよ」とくれば、「パールハーバーはいろいろな記念館があって、心に訴えるものがあったでしょ」と問いかけます。
なんと、こうした貴重な歴史遺産に触れないご家庭も。MOTTAINAI!
8月後半は、戦争を通じ『生と死』について考え、感じとる8日間でした。
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