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心やわらぐ川柳のユーモア(その1)

2023.05.30 塾長ブログ

墨田区 東向島 学習塾 ウエル学院平野進学教室からのお便りです。

 

第一生命保険と聞くと(冒頭から私企業の名前を出してすみません)。

少額の保険にもかかわらず、毎年ディズニーキャラクターデザインのカレンダーであったり、タオルであったり、うちわであったり、いただけること。身内の女の子は大喜びです。

 

もう1つは、何と言っても「川柳コンクール」です。毎年この時期に優秀作品が発表されます。とても楽しみにしています。

 

今年の最優秀作品。

〽 また値上げ  節約生活  もう音上げ

 

ブラボー!!

‘また’ から ‘もう’へのことばの変換、‘ねあげ’の掛詞。時世への婉曲的な風刺。

上手ですね。口調、リズムも整っています。

 

江戸時代中期から流行り出した川柳。時代の影響を受けながら変遷を重ねて、今日のサラリーマン川柳に至ります。

 

最近手にした本に『反戦川柳人 鶴彬の獄死』(佐高信 集英社新書 2023年)というものがあります。

昭和初期、軍国主義に反旗を掲げ、川柳を通して反戦を訴え続けた川柳人、鶴彬(1909~1938)。

わたしはこの書物で初めて知りました。鶴彬は治安維持法で特高に捕らえられ、獄中で憤死。29歳の若さでした。

 

川柳という表現手段によって反戦、反軍国主義に闘いつづけた文学者がいた、こんな貴重な歴史も心にしまったおきたいですね。

 

 

話がそれてしまいましたが、それでは第2位の作品。

〽 ヤクルト1000  探し疲れて  よく寝れる

 

今売り切れ続出の乳酸菌飲料。「睡眠の質の向上」などを謳いあげています。

摂取する前に探すのに疲れはて、その晩はよく眠れたよ、というユーモアたっぷりの作品です。クスッと笑えますね。

 

ユーモア川柳はクスッと笑えるかが勝負です。

 

第3位。

〽  店員が  手取り足取り  セルフレジ

 

リアルな日常の一場面を切りとった写実的な作品ですね。「これでは、セルフの意味がないではないか」という突っ込みどころたっぷりの滑稽さがいいですね。店員さんの“あきらめ顔”や溜息まで聞こえてくるようです。

 

 

毒入りの感心しないお笑いや、他人を蔑むかのような笑い、何がおかしいのかわからないレベルの低いギャグなどが、お笑い界で幅を利かせています。

 

その点、川柳のユーモア、風刺、笑いは群を抜いていますね。冷静で客観的な視点と適切な言葉の選択が求められてきます。リズムも大切です。

 

実生活のなかでの“笑いとユーモアの創造” ――忙しさのあまり忘れていますよね、わたしたち現代人は。一息も二息もついて、心の余裕を取り戻しましょう。

 

次回につづきます。

 

 

墨田区 東向島 学習塾 ウエル学院平野進学教室からのお便りでした。

 

 

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