墨田区 東向島 学習塾 ウエル学院平野進学教室からのお便りです。
前々回のブログに引き続き、成田奈緒子先生の『子どもの隠れた力を引き出す最高の受験戦略』
について見ていきたいと思います。
繰り返し、脳の正常な発達の観点からハードな塾通い、受験勉強、詰め込み勉強はダメ、しっかり睡眠時間を取って、家事をやらせよと、繰り返し警告を発しています。
このブログでは、成田先生ではなく、若干のアイロニーと親しみを込めて成田センセーと呼ばせていただきます。このセンセー、浮世離れ、世間離れしたところがあって、それが親近感さえ抱きます。
お母さん方、このセンセーと同じ行動がとれますか? では、始めましょう。
1つ。宿題を見ることはなく、娘は小学校で宿題忘れの常習犯でした。そうとは知りつつも、「宿題やりなさい!」と叱ったことはない。娘との貴重なひと時を、まくしたてる時間にはしたくなかったから。
たかが学校の勉強ごときで、目くじらを立てたくない、ということでしょうか。「宿題はやっていくもの」というルールは、センセーには通じなさそうです。学校の先生もさぞ扱いに困ったことでしょう。なんせ、相手は教育書を何冊もものにするドクターです。
2つ。小学4年時に受けた全国統一模試の偏差値は35。
「私たち夫婦(夫も医師)の最初の反応は、嫌みでもなんでもなく『偏差値に35なんてあったんだ』という純粋な驚きです。」
センセーのゴカテイでは、「偏差値60は当たり前」だったそうです。嫌みなく言ってのける成田センセーの生まれの良さが際立ちます。
3つ。娘が小学校になってからの朝食は、バイキング形式。その理由は、「自分の食欲や体の状態をモニタリングする能力は前頭葉の働きであり、上げ膳据え膳では鍛えることができません。」ということだそうです。
わたしの小学校時代の朝メシはと言えば、ごはんに味噌汁、あとは漬け物?
これでわかった。 わたしの前頭葉の発達があやしいのは、バイキングではなかったからだ!
4つ。受験間近の冬休み17日間。午前4時起床。センセーがつきっきりで過去問演習。昼は、日替わりでいろいろなお店にランチを食べに行き、ほっと一息。午後7時に就眠。
9時間の睡眠と朝型の勉強。これは外せません。“成田の鉄則”と言ってよいでしょう。
学校の宿題を無視するセンセーも、過去問はいっしょに解くのですね。なんかヘン?
私立入試の過去問を、レベルの差こそあれ、親が解ける。娘にとっては、‘親ガチャ 大当たり!’
両親がともに医者、うらやましい限りの‘遺伝子の授受’。
毎日、外に出てランチを食されるそうです。幼いころは、帰宅が遅くなる日にはシッターにお願いもする。
センセーは忙しい毎日に行き詰まると、娘を夫に任せ、1人で3泊4日の東京観光に出かけ、映画や演劇を思う存分満喫し、いいホテルに泊まるそうです。
私たち一般人には、まねしたくても出来ませんね。「毎日娘とランチ? 夫に任せて観光?お金持ちはいいねー」と、羨望よりも嫉妬心を抱いてしまうのがおちです。
まさに、経済格差が、教育格差や体験格差に直結している格好のモデルになってしまいました。
センセーも社会的な観点からの教育問題には疎い、と言わざるを得ません。
経済的に恵まれない家庭や親が勉強を不得手とする場合の、「最高の受験戦略」をぜひお願いしたいものです。
センセーを茶化してしまった反省が残りますが、わたしがこの著作を通して最も印象づけられたのは、以下の出来事です。わたしもセンセー同様の感性をもっています。
5つ。「娘がブラジルキャンプから帰国した際、空港の到着ゲートでわたしを見つけると、『ただいま!楽しかったよ~!』と満面の笑みで。私は『ちょっと来なさい』と連れていき、1時間のお説教を始めました。」 「費用の負担、予防接種、スタッフさんへのあいさつ、親のサポート、等々、最初の一言は、何を差し置いても『ありがとう』でなければなりません。」
まさしく成田先生の言う通り。
勉強がいくらできたって、マナーや礼儀に欠けたり、他者を思いやる気持ちが育っていなければ、それは意味のない‘お勉強’。高い月謝を出して‘受験マシーン’をひたすら強化しているだけ。
まずは親の責任が問われることでしょう。
マナーや常識、人への優しさや連帯などは、受験勉強より優先順位が上にあることを、日常生活の中で教えていかなければなりません。
そうしないと、‘第2の兵庫県知事’、東大は出たものの、無機質で、暴力的で、人の愛や心が育っていない嫌われ者で終わってしまいます。不幸ですね。
成田ファンの1人として、以下の1文を‘成田の決め台詞’としてピックアップしました。
「親の歪んだ認知は、そのまま子どもの認知に刷り込まれてしまいます。」(221頁)
本日もお読みいただきありがとうございます。
お問い合わせ
0120-630-133