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政府は奈義町の爪の垢でも~まさしくママにやさしい町~

2022.10.04 塾長ブログ

9月24日のブログで、少子化についてふれました。
その4日後、『出生率2.95の町 何とかなりそうな安心感 「奇跡の」岡山県奈義町』という見出し記事が出ました(朝日 09.28)。

奈義町は、周囲を山に囲まれた田園地帯で、人口は5700人ほどの小さな町です。こんな小さな町が、CNNニュースで取り挙げられたり、日本子育て支援大賞(2022年)を受賞したり、全国紙に掲載される。

なにより、信じられません、出生率2.95という数字。まさしく奇跡です。この年の東京都は1.15,大阪府は1.31,愛知県1.45と、2倍以上です。日本の人口を維持していくには、2.1が分岐点と言われています。奈義町は15年かけてこの数字を達成しました。

奈義町のホームページを開けると、さまざま独自施策が列挙されています。例えば、
「在宅育児手当」~保育園に入園していない児童1人につき月額15、000円支給。
「高等学校等就学支援」~高校生1人に年額135,000円を3年間支給。
「医療費」~18歳まで無料。
「出産祝い金」~1人一律10万円。
「ワクチン」~すべて無料。
「不妊治療」~年20万円を限度に、5年間助成。
「不育治療」~年30万を限度に5年間支給。
「保育料軽減」~第2子半額、第3子以降免除。

その他、給食費の補助、教材費の無償化、預かり保育の充実、ベビーカー・ベビーベッド・チャイルトシート等の貸出、「若者住宅」として一戸建て(3LDK)の家賃が月5万円……。

なによりも感心させられるのは、こうした支給や補助だけにとどまらず、お母さんを孤立させないための居場所作りや、子育て不安を払拭するための様々な手当が講じられていることです。

当初、財源の確保に相当の苦労がうかがえますが、なんと役場の職員や議員を減らしてやりくりしたとのことです。この減員には賛否両論あるでしょうが、なにしろ徹底しています。

奈義町子育て応援宣言にはこんな言葉が。
「子どもは次代を担うかけがえのない存在で、奈義町を守り支えられてこられたお年寄りとともに、奈義町の大切な宝物です。」「家庭・地域・学校・行政みんなが手を携え地域全体で子育てを支えるまちを目指し」とあります。

なんというのでしょうか、奈義町の行政的なあり方に純粋な“人間愛”を感じ取ったのは、わたしだけではないと思います。「お年寄りとともに」という表現には、すべての人間に対する謙虚さと、敬愛に満ちた思想が脈打っています。すばらしいですね。

電車内にベビーカーを持ち込むママに対して舌打ちを打ったり、蹴ったりする人たちがいる。年寄りをだまして、お金を振り込ませる人たちがいる。精神的にも、経済的にもゆとりと豊かさが伴わない社会は、生きづらいですね。ぎすぎすした世の中では子どもは育てにくい。

学校現場からは、「親を支えないと、子どもは支えられない」との厳しい現実が突き付けられています。親の生活苦が子育てに負の影響を与えている、こうした指摘です。

「パラサイト」や「婚活」といった言葉を世に出した家族社会学の第一人者、山田昌弘氏も、「日本社会では、たとえ愛があっても、子どもが好きでも、経済的な条件が整わなければ、結婚や出産に踏み切らない人が多数派」だと指摘しています。

日本は戦前より、悪しき精神主義、根性主義が蔓延していました。現在でも、昭和のオヤジがガンを飛ばしている組織では、この傾向はなくなることがありません。「欲しがりません、勝つまでは」とか「気持ちの持ち方だ」ではなく、優先されるべきことはまずもって物質的、経済的な保障なのです。心構えを語る前に、生活基盤を安定させてなければなりません。

その点、奈義町は掛け声やスローガンに終わらず、実質的な保障と助成を行なって、子育てを全面的にバックアップしています。子育て世代の親にとって何が必要か、常に考え続けながら、実行に移しています。

奈義町の企画課の方がこんなことを述べています。
「少子化対策は、最大の高齢者福祉なんですよ。」
政府役人は、頭を下げてでも奈義町の行政哲学と手法を学ばなければなりません。この含蓄あるワン・センテンスの意味するところ、おおいに議論していただきたい。

墨田区の区立中学は、2学期制です。今週は、前期の期末考査の結果が一覧表になって返されます。
中学1年のHT君、5科目500点満点中、489点!! 勉強だけでなく、部活に連合陸上に全力投球の毎日です。立派です。得点や順位などに意識過剰にならないよう、じっくり、ゆっくり歩ませたいです。

同じクラスのSK君。5科で476点。学年1位から2位になって、ちょっぴり悔しそうでした。2人は通う中学が違うものの、いい感じで切磋琢磨しています。2人とも勉強だけでなく、責任感があり、とてもやさしい心の持ち主です。

本日もお読みいただき、ありがとうございます。

昨夜はサンマの塩焼きをいただきました。
やや小ぶりでしたが、脂がのっていて美味!でした。
一口目は、やはり‘はらわた’です。ほろ苦さとともに、なんとも言えない旨味。
冷えたビールとの相性は抜群ですね。

明日も子どもたちのためにがんばろう!サンマからエネルギーをもらいました。

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