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教育の貧困

2013.04.02 塾長ブログ

GDPに占める教育機関への公的な支出の割合が、日本はOECD(経済協力開発機構、別名先進国クラブ)加盟国31か国中、なんと最下位!それも3年連続で。

ギネスに申請したらどうでしょうか。「我が国日本は、GDP世界第3位にもかかわらず、子どもの教育にはお金を出し惜しむまれな先進国である。先進国の中で最も子どもを大切にしない国であることを、ここに宣言いたします」と。

高等教育段階において、公財政教育支出の対GDP比は、OECD平均が73.6%にたいして、日本はその半分にも満たない32.2%です。日本の教育支出は、家計負担によって支えられている、まさにその通りです。

OECDの15か国は大学の学費は無料です。しかも奨学金は給付型があたり前。これが世界の主流なのです。日本が異常なことがわかりますね。ちなみに、大学の学費について記しておきましょう。私立大学の文系ですと、初年度納付金平均額は、123万円。残り3年分の納付金を加えますと、4年間で417万となります。私立理工系ですと、初年度が155万、4年間で545万円かかります。2人でおよそ1000万です。異常と言わず、何と表現したらよいのでしょうか。

見えてきましたね。日本の教育の本質的な面が。すなわち、国は口は出すが、お金は出さない。教育の結果は、すべて親の自己責任とする。極論するとこうなるのです。

社会全体で子どもを育てていこうという発想がないのです。子育てが苦手な親、経済的に不利な立場に置かれて子育てに余裕のもてない親、孤立している親、こうした親を社会で、地域でフォローしていこうという連帯の思想がありません。

言い換えれば、教育哲学が極めて貧困なのです。弱者への想像力が働かないのです。何ゆえに? ボンボンで、世間知らずの受験エリートたちが、強者の論理で日本の教育政策を作っているからです。

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