開いた口が塞がらない、とはまさにこのこと。日銀総歳の黒田氏の見解にぶったまげました。
わが耳を疑いました。「家計の値上げ許容度も高まってきている」と。皆様の中で、最近の物価上昇を仕方がないと受け入れている方はいらっしゃいますか?
政治および日銀の失政が、まさにこの物価上昇であり、円安であり、実質賃金の鈍化に他なりません。いち早く謝罪に追い込まれていたようですが、すべてが言い訳に終始していましたね。
もうひとつ。自らに問うているのですが、このままロシアと戦い続けることが、はたして正義たりえるのか? 国家戦略として理性的な判断といえるのか? ということなのです。どう思われますか。
時の経過とともに国土の荒廃は拡大化し、人の命も意味もなく失われ続ける。
北朝鮮からミサイルが発射されれば、米韓はそれに対抗して同じ数のミサイルを発射する。
日米豪印4カ国(クアッド)は、中国の「一帯一路」に対抗して500億ドルのインフラ支援を、等々、挙げたらきりがない。
親和的な外交といったものはできないのでしょうか。何かあると「対抗措置」「制裁」といった対立図式でしかものを見ていない。新たなる発想をもって外交に当たる時が来ているのではないでしょうか。
今月は面談月間です。保護者の皆様と、そして生徒ひとり一人と。やはり、相手の目を見て、近距離で話し合いするのはいいですね。マスク越しなので表情までうかがい知れないのが残念ですが、ZOOMでの会話に比べたら、天と地の差があります。
ZOOMなどのリモートに慣れ切った学生に言わせると、マスクを取ることの気恥ずかしさに耐えられそうもないだとか、就活での対面面接は怖いなど、長すぎたコロナ生活はわたしたちに様々な行動変容をもたらせることとなりました。
心配なのは幼少児や児童です。保育園や幼稚園の先生方が、創意工夫をして子どもたちに関わってくれています。ただ、マスクの影響や人との接触の少なさが今後どういった弊害に結びついてしまうのか、やはり気がかりです。
話題を英語関連に移します。
大学入試に英語の外部試験が導入されるなんて聞いたことがあると思います。
中高生までは『英検』の取得、大学生・社会人になりますと『TOEIC・L&R』の受験が求められるようになります。このテストには合格・不合格はなく、990点満点で、個人のスコアが算出されます。新入社員の採用時にこのTOEICのスコアを指標としている企業が約60%もあります。履歴書に書ける最低スコアは600点。人気商社になると800点とかなり厳しい。ちなみに高校3年生の平均スコアは443点です。
時代の流れなのでしょうか。一部の企業において、“脱TOEIC”の動きが出てきました。
東南アジアにはエンジニア人材の「宝の山」があり、そうした優秀な外国籍の人材を獲得するには、彼らが働きやすい環境、すなわち日本の企業内における「英語の公用化」が必須です。
TOEIC・I&Rは聞く力と読む力を図るテストなので、仕事で必要になる話す力が試せません。TOEICのスコアが高くても、日常の英語でのコミュニケーションが取れない社員が多くいるとのこと。
こうした現状をふまえ、経済界ほか教育産業界側からの要請により、今年度から都立入試にスピーキング・テストが実施されることになりました。試験当日(来年2月21日)のリスニング20点+読解80点に加えて、スピーキング20点の120点満点になります。スピーキング・テストは、今年の11月27日(日)に都立高校を会場として行われます。各生徒にタブレット端末、イヤーマフ、マイクが用意され、タブレットから出題される問題に英語で答えていきます。15分程度のものです。
実は、共通テストにおける英語民間テストや記述式問題の導入(いずれも反対の声に押されてボツになりました)と同様、中止を求める運動が活発化しています。
都立入試(の一部)を民間企業であるベネッセに丸投げしてよいのか、受験生の顔写真や個人情報がベネッセに渡ることに問題はないのか、5万人もの採点をいかにして行い、いかにして公正を期するか。不受験者には加点するというが、それで入学試験の妥当性が保たれるのか、等々、問題が山積みです。中止の可能性もなくはない、というところでしょうか。
わたしはもちろん反対派ですが、実施の方向で中3生には対策を施してまいります。
それにしても相も変わらずというか、文科省や東京都教育委員会は、突発的で強引な入試改革を打ち出し、現場や学生たちを混乱させています。もっと民主的で、オープンな手法をもって改革に望んでもらいたいところ。共通テストでボツになった教訓が全く生かされていません。
お母さん方との“お話タイム”(二者面談)でも話題にのぼるスマホ。
昨日も面談で、「スマホの見過ぎで、ドライ・アイになって、部活も休んでいます」と正直に話してくれた中学生がいました。
これまで機会あるたび、「子どもへのスマホの丸投げは、親としての責任の放棄ですよ!」と訴えてきました。
子どもに勉強を迫るのであれば、親自身も勉強の姿勢をとらなければなりませんね。わたしの好きなジャーナリスト・石川結貴氏が『スマホ廃人』につづき『スマホ危機 親子の克服術』(文春新書)を昨年に上梓しました。一読に値する良書です。少し長いですが、「おわりに」(239~244頁)をご紹介させていただきます(著作権などの問題から、省略させていただきました)。
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