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男女共学の魅力

2016.12.15 塾長ブログ

ここ数年、都立高校普通科の実質倍率は1.5倍以上を記録し、過去最高が続いています。3人受けて1人が不合格です。お母さん方の時代は1.2倍前後ですので、6人受けて5人は合格していました。都立の魅力は何といっても、授業料が無料、自由、男女共学です。ここ数年は大学合格実績を着実に伸ばし、部活や学力面での特別な理由がない限り、私立高校を敬遠する傾向にあります。

ここで男女共学について少しふれておきます。都立高校と私立高校とではそのニュアンスは少々異なるように私には感じられます。私立高校の共学の根にあるものは、「男と女の級友関係」です。相手を異性として過大に意識してしまう傾向があります。一方、都立生の場合、「性を越えた級友関係」とでも表現したらよいのか、男女の区別なく共に考え、共に行動しているような雰囲気があります。

ある日の高校部での授業。席が1つしか空いていません。その両脇は男子が陣取っています。都立に通う女子は躊躇することなく、ど真ん中の席に着きました。別の日、同様の状況のなか、私立の中高一貫校に通う女子は戸口に立ったまま固まって、席に着けませんでした。「先生どうにかして」と私に目配せしてきました。彼女にとって男子生徒はあくまで意識すべき「異性」なのです。

性を越えたところで男女が共に歩んでいくなか、男子は女子の良さを、そして女子は男子の良さを再発見し、異性に対する許容力を身に付けていく、これは都立高校に通う最大の魅力と言っていいでしょう。後々、素敵な恋愛が期待できそうですね。

性という話が出てきたところで、あの非道なる強姦事件を見ておかなければなりません。慶応義塾大学の「広告学研究会」、近畿大学法学部4年生、そして千葉大学医学部の研修医と医大生、いずれも女子学生に大量のお酒を飲ませ、わいせつな行為をはたらいた忌々しい事件。

何から書いたらよいのか混乱していますが、1つは、加害学生に共通するエリート意識と言ったらよいのか、勉強さえできれば、学歴さえあれば許されるといった“勘違い”を指摘しておきます。親も、我が子は慶応や国立の医大生ですから鼻高々なのでしょうが、教育の究極的な目標が「人格の完成」(教育基本法)にあることを鑑みれば、見事に鼻をへし折られた結果となってしまいました。

 

社会的なマナーであるとか、人間性の陶冶といった人としてのあり方を常日頃言い聞かせておくことが求められてきます。偏差値であるとか、学歴などは子どもの教育にとって副次的なものであることを親自身が強く自覚しておく必要があります。

2つは、性の歪みです。先ほど述べた性を越えた人間関係を経験してこなかった可能性があります。俗にいうレイプ魔(容疑者をレイプ魔と断定しているわけではありませんが)は、支配欲が人一倍強く、女性を見ると性器にしか見えないとも言われています。性欲をコントロールし、昇華させるすべをトレーニングによって身に付けなければいけません。学校教育のなかでカリキュラム化することが理想です。

3つは、親やまわりの大人がお酒のたしなみ方の範を示すこと。お酒は、自分はもちろんその場に集うすべての人が楽しむものであって、一人として不快な思いをさせてはいけない。一気飲みや強要などは論外。酒癖の悪さは命取りです。早いうちにまわりの先輩が指摘してあげなければなりません。私の知人の娘さんは、現在医学部に通う5年生。昨年、サークルの打ち上げの場で暴力事件が起きて、加害者は退学を命じられ、何年にも及ぶこれまでの努力が水泡に帰することとなりました。サークル内では酒癖の悪い先輩として有名であったそうです。

4つは、お酒は人を変えてしまうドラッグでもあることを知らせておかなければなりません。理性のタガが外れ、とんでもない行動に出る者もいる。女の子には警戒心を持たせなければなりません。お酒を強要してくる男は危険極まりないと教え込んでおきましょう。

さて、師走。私の心と体はすっかり受験モードに入りました。

 

皆さま体調に留意され、良いお年をお迎えください。

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