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社会科嫌いと親の協力

2013.10.24 塾長ブログ

ここ4、5年痛感していることに、中3生の女の子で模擬テストの社会が壊滅的な生徒が増えています。学校の定期テストでは7~8割は取ってくるのですが、模試のように範囲が広く、問題文も長いと途端に思考力と記憶装置がショートしてしまうのです。本人に聞いても、なぜこんなに出来なかったかが分からない。ほとんどが記号問題にもかかわらず、です。

中3ですから内申のこともあって、定期テストは頑張ります。脳の中の短期記憶装置に次々と知識を放り込んでいきます。短期記憶装置ですから、極端なことを言えば、社会のテスト時間の終了を告げるチャイムと同時に、膨大な知識が忘却へと向かうのです。気の毒にも、覚えた知識が水泡と化してしまうということです。

一方、社会の好きな子、得意な子の場合、獲得した知識はすぐ忘れてしまう短期記憶ではなく、ずっと覚えていられる長期記憶装置に取り込まれます。勉強量に比例して、情報量がどんどん増えていくのです。

さて、両者の相違はどこから生まれてくるのでしょうか。ひと言で言えば、環境なんです。私が以前著したものの中で、教え子の“社会科博士”A君を紹介しています。A君は幼い頃から大好きなおじいちゃんの胡坐(あぐら)の中で育ちます。おじいちゃんは大のニュース好き。夕方から始まるニュースをA君に一つひとつ解説するのです。政治、経済、歴史、地理、A君は胡坐の中で学んでいきます。社会に関する“脳”やセンス、長期記憶装置が早期から形成されることになりました。

極端に社会ができなかった中3のB子ちゃん。Vもぎの偏差値はいつも30点代。新聞を手に取ったことはありません。テレビのニュースも見ません。「ニュースは嫌なものばかりで、家の中が暗くなるから見ません」とはお母さんの弁。国の位置を覚えさせるため「トイレに張っておきなさい」と与えたカラーの世界地図。見栄えが悪いとのことで、はがされてしまいました。かわいそうなのはB子ちゃん。純粋で明るくいい子なんですけど、その常識はずれのおばかちゃんぶりには周りの友達さえ、唖然としてしまうほどでした。

4年制大学を希望する女子の7割は文系志望です。入試科目は一般に私大では、英語・国語・社会(日本史、世界史、政経、地理などから1つ選択)の3科目が課されます。社会が不得意というだけで、人生における進路選択肢の1つを失ってしまうということです。これって、実に手厳しい現実ではないでしょうか。

保護者の皆様、まずはウエル学院のホームページに掲載してあるいずみ 第四章 家庭内での学力向上のための工夫、を今一度お読みください。小学生を対象とした文章ですが、親の協力の必要性といった点で、参考になると思います。お忙しい毎日だと思います。しかし、お父さん、お母さんが社会に関心を抱かない限り、子どもは社会科好きにはならないのです。

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