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都立高校推薦入試の変更

2012.10.13 塾長ブログ

都立高校普通科では、若干の例外校はあるものの、

定員の20%を学力試験を課さない推薦入試で決定しています。

合否基準は内申点(通知表)と面接です。

 

ところが、来年度(現中3)より、以下のように変更となります。

①集団討論と個人面接を実施する。
②小論文または作文を実施する。
③上記2点及び内申点を得点化し、合否を決定する。

 

東京都は、変更のコンセプトを次のように述べています。

「基礎的な学力を前提に、思考力、判断力、表現力等の

課題を解決するための力や、自分の考えを相手に的確に伝えるとともに、

相手の考えを的確に捉え人間関係を構築するためのコミュニケーション能力など、

これからの社会にあって生徒たちに必要となる力を評価、選抜する」とあります。

 

まさに新卒の採用試験そのものですね。

人の話を聞けないヤツ、自分を語れないヤツ、空気の読めないヤツ、

アタマの悪いヤツは、うちには来るな!ということです。

 

「○○力」という言葉の羅列を見るたび、

差別感を感じてしまうのは私だけでしょうか。

 

「思考力、判断力、表現力、コミュニケーション能力」などの諸能力は、

努力したってなかなか簡単に手に入るシロモノではありません。

だいいち何をもって「○○力」とするかの定義や内実も

確定されているわけではないのです。

 

そんなものに生徒や学生達が振り回されているのです。

ごく一部の大人の主観的な判断で選抜されることほど、

子ども達にとって気の毒なことはありません。

「親の主観や独断が我が子を潰す」。

 

何十人もの潰された子ども達を見てきました。

「潰す親」とも何度も話し合いを持ってきました。

 

「潰す親」に共通する点があるとすれば、まず「社会性がない」こと。

仕事人としては立派な方なのでしょう。

しかし、子どもとの距離感というか、

関係性がうまくとれない、とろうともしない。

 

さらに、「民主主義的な人間観」に触れる機会がなかったのでしょう。

極めて独善的な態度を子どもの前でとってしまいます。

子ども目線に立って物を考えたり、

子どもの心情を受容したりするのが苦手です。

子どもやパートナーからの強烈な一撃をくらうまで、

この独善は続けられるのです。

 

話がそれてしまいました。

都立の推薦制度でひとつだけ付け加えておきます。

 

上記③の得点化についてですが、すでに公表されています。

例えば超人気青山高校は(調査書・内申点→面接→小論・作文の順)、

450点→150点→300点、小松川高校は500点→250点→250点、

墨田川高校200点→100点→100点と各高校が独自に決めています。

面接や小論・作文を敬遠し、推薦倍率は若干の低下が予想されます。

一人ひとりの生徒に寄り添い、対策をたてなければなりません。

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