都立高校普通科では、若干の例外校はあるものの、
定員の20%を学力試験を課さない推薦入試で決定しています。
合否基準は内申点(通知表)と面接です。
ところが、来年度(現中3)より、以下のように変更となります。
①集団討論と個人面接を実施する。
②小論文または作文を実施する。
③上記2点及び内申点を得点化し、合否を決定する。
東京都は、変更のコンセプトを次のように述べています。
「基礎的な学力を前提に、思考力、判断力、表現力等の
課題を解決するための力や、自分の考えを相手に的確に伝えるとともに、
相手の考えを的確に捉え人間関係を構築するためのコミュニケーション能力など、
これからの社会にあって生徒たちに必要となる力を評価、選抜する」とあります。
まさに新卒の採用試験そのものですね。
人の話を聞けないヤツ、自分を語れないヤツ、空気の読めないヤツ、
アタマの悪いヤツは、うちには来るな!ということです。
「○○力」という言葉の羅列を見るたび、
差別感を感じてしまうのは私だけでしょうか。
「思考力、判断力、表現力、コミュニケーション能力」などの諸能力は、
努力したってなかなか簡単に手に入るシロモノではありません。
だいいち何をもって「○○力」とするかの定義や内実も
確定されているわけではないのです。
そんなものに生徒や学生達が振り回されているのです。
ごく一部の大人の主観的な判断で選抜されることほど、
子ども達にとって気の毒なことはありません。
「親の主観や独断が我が子を潰す」。
何十人もの潰された子ども達を見てきました。
「潰す親」とも何度も話し合いを持ってきました。
「潰す親」に共通する点があるとすれば、まず「社会性がない」こと。
仕事人としては立派な方なのでしょう。
しかし、子どもとの距離感というか、
関係性がうまくとれない、とろうともしない。
さらに、「民主主義的な人間観」に触れる機会がなかったのでしょう。
極めて独善的な態度を子どもの前でとってしまいます。
子ども目線に立って物を考えたり、
子どもの心情を受容したりするのが苦手です。
子どもやパートナーからの強烈な一撃をくらうまで、
この独善は続けられるのです。
話がそれてしまいました。
都立の推薦制度でひとつだけ付け加えておきます。
上記③の得点化についてですが、すでに公表されています。
例えば超人気青山高校は(調査書・内申点→面接→小論・作文の順)、
450点→150点→300点、小松川高校は500点→250点→250点、
墨田川高校200点→100点→100点と各高校が独自に決めています。
面接や小論・作文を敬遠し、推薦倍率は若干の低下が予想されます。
一人ひとりの生徒に寄り添い、対策をたてなければなりません。
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