「密接」を避けるため、中学1・2年クラスをそれぞれ2クラスに編成 しました。
そのぶん、授業のコマ数が増えて、この塾長は少々お疲れ気味。
歳(とし)かな……。
メンタル面も消耗します。そうです、やはり塾内での集団感染が怖い。
正直、不安を抱えながらの毎日です。
以前にも書きましたが、ウエルの生徒の1日は、
石鹸による手洗い➡アルコールまたは次亜塩素酸で手指消毒
➡フェイス・シールドの着用➡授業は透明のビニールシート越しで聴講
換気は抜群です。
教室の前後にあるドアと窓を開放し、入り口の自動ドアおよび裏口のドアも開放。換気扇だけでなく、教室内にある扇風機も稼働。
教室内、トイレのアルコール消毒もしっかりやっています。教室のいす・机は、1学年の授業が終了するたび行なっています。
ここまでやって感染が起きたら……。
もう降参です。これ以上なすすべはありません。
やるべきことをやったら、怖れたりせず、前向きに向かっていくしかありませんね。
でも、昨日の東京都の感染者数が10名とは驚きました。
ほっとさせられます。
ほっとできなかった女の子もいます。
うつむきかげんで、これまでの明るさを失ったA子ちゃん。とてもナイーブな子。
お母さんから以下のような内容のメールが届いています。
「コロナにおびえて、不安定な毎日を過ごしています。志村けんさんの死も影響しているようです。外遊びもできないし、友達にも全く会えていません……」
ウエルの小学部は個人指導が基本ですが、授業の開始時にわたしは時流に合わせたいろいろな話をします。
桜が咲けば、桜の開花宣言はむかしは、ソメイヨシノの蕾の重さをはかって決めた、とか、11日(月)に東京から富士山がくっきり見えたと
言えば、昔生徒達と登った富士登山について30分も語ってしまうし、
今もむかしもつまらぬ授業より、わたしのよもやま話や体験談のほうがよっぽど興味を持って聞いてくれます。
昨日も中学3年生に、まだ習っていない三権分立と検察について話しました。現政権は、独立組織であるべき検察を支配下に置こうとしている、これがこの数日取り上げられている「#検察庁法改正案に抗議します」の内実だよ、と。
これは措いておくとして、A子ちゃん。
とりあえず、算数の授業始まりに「大きな数」「概数」「約分」「割合」といった算数用語を確認しつつ、ホワイトボードに「26万分の130」と分数を書きました。
『分母の26万は、墨田区の人口257、300人を千の位で四捨五入しました。130は、数日前の感染者数の1の位を計算しやすいように切り捨てました。さて、5年生、6年生、260、000分の130を約分してください。いくつになりますか?……そうです、2、000分の1です。
これを言葉で説明するとどうなる?……その通り。新型コロナウイルスに感染するのは、2千人中たった1人だけ。ここに2千本のくじがある。
当たりくじはたった1本。B君、当たりくじを引く自信はある?』
あえてA子ちゃんを指さなかったのですが、「2千人中たった1人だけ」と言った瞬間、A子ちゃんが ”にこっ” と表情を緩めたように感じられました(わたしの勝手な思い込みかもしれませが)。
さらに、数字だけでなく、藤田医科大学感染症科監修の絵本『コロナウイルスってなんだろう?』の1文も引用しました。
「子供がウイルスに感染しても、なにもおきない、またはちょっとした
『かぜ』くらいですむことがほとんどです」
ここまででわたしは話を終えて、授業に入りました。
これもひとつの「うそ」ですよね。「うそ」をついたことになります。
わかっていながら、付け加えることもありませんでした。
中高生クラスであれば、きっちり話したのですが……。
要するに感染者、「2千人に1人」という確率。
いまやニュースに興味ある生徒はみな知っています。
PCRの検査数がこれほどまでに少ない日本の感染者数は、当てに ならないと。その数倍、何十倍もいるはずだと推察する専門家も多数いる。
小学生クラスには、はしょってしまった。A子ちゃんのほっとした表情に満足して、その先の説明を意図的に省略してしまった。
気持はよくないのですが、「嘘も方便」、今回はこの言葉に甘えさせてもらおう。
このコロナ禍は、わたしたちに『数字』『データ』の読み取りの難しさや重要さを教えています。
生徒達には常に ”疑問符?”をもって数字を眺めてみようと呼びかけています。
#検察庁法改正案に抗議します。
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0120-630-133