不安定な時代に生きる時、人は言葉に、より敏感になると言われています。
この1・2週間、政治家などが発するあの言いまわし、「あちこちで気の緩みが見られる」に違和感というか、反発さえ覚えます。「自粛の緩みが感染の第2波につながる」とも。
あくまで自粛なのに強制力があるかのような、そしていつも上から目線でのたまう。イラッとしませんか。
初動対応策を怠り、十分かつ迅速な休業補償もせず、PCR検査もいまだに不十分……。
与党政治家の方がよっぽど危機意識に欠け、当初から気が緩んでいたのではないでしょうか。
子どもにかける言葉も同じですね。
「気が緩んでる」という否定語の入った叱責というのは、親・教師自身のうっぷんを晴らすだけで、子どもにとってはなんら前進的な行動には結び付きません。
逆に、子どもからの信頼を失い、子どもの行動意欲をさらに後退させる羽目になります。これでは本末転倒で、叱責の意味がなくなります。
「気が緩んでる」ではなく、緩まないような前向きになれる言葉がけが求められてきます。
わたしの住む葛飾。
例えば、漫画家・高橋陽一氏からのキャプテン翼のイラストには、『がんばろう! 葛飾! みんなでのりこえよう!!』と。
こち亀のイラストには『今、できる事をやって自分の力をつけてください!』
さらに映画監督・山田洋次氏からは、『今頃寅さんは 旅先で帰るに帰れず オロオロしながら 故郷柴又の 皆さんの無事を祈っています。もう少しの辛抱です。頑張れ 葛飾。』
すべてが一緒に頑張っていこうという応援歌ですよね。
マスコミでも取りあげられたイタリア・ミラノの校長からのメッセージ『「これから」の時代を生きる君たちへ』、わたしも手に取って全文を読ませてもらいました。
「家の中に閉じこもり、孤立するのは、誰にとっても困難な体験です。若者には、なおさら辛く感じられることでしょう。」「私たちの貴重な財産―社会組織や人間性を守るには、理性的な思考を持ってください。」「「人間らしい思いやりを忘れないように」……。
若者に寄り添う優しさあふれるメッセージが続きます。
気が緩んでいるといった使い古された道徳心を持ち出すのではなく、ヒューマニズム(人道主義)とか博愛主義と言ったらよいのでしょうか、人間の理想郷―お互いが愛し合う連帯の社会を提示しているようです。
「緩んだ」人間をただ批判し、蔑むような哲学なき政治家とはわけが違う。
さて、今月の8日から授業を再開し、2週間ほど経過しました。
小学生・中2・中3は「3密」を避け2クラスに分けたりしながら、とてもいい雰囲気の中で授業が行われています。わたしは根っからの“集団授業センセー”ですので、本領を発揮すべく、毎日授業を楽しんでいます。
どのクラスも落ち着きがあり、集中して取り組んでいます。集団授業に飢えていたのかもしれません。とても意欲的です。
家庭に目をやると外出自粛からくる閉塞感からか、ドメスティックバイオレンス(DV)と児童虐待の相談件数が大幅に増えています。
「家族でいる時間が多くなって、お母さんがよく怒るようになった」といった声も聞かれます。
「子どもは『スマホ廃人』 夫は『妻依存』 休校で家庭は爆発寸前!」これは、雑誌・週刊新潮で見かけた一句。
子どもは言うことを聞かないし、手もかかる。自分の時間はないに等しく、経済的な不安も忍びよる。これではストレスから怒りっぽくなって当たり前です。怒りを押しとどめる必要はありません。
ストレスの耐性や発散の方法には個人差があります。お母さん流の仕方で、ため込まずなるべく早期に解消してください。
お母さん、家族の皆様、陰ながら応援しています!!
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