オリンピックが閉幕して数日が経ちました。
アスリートたちの活躍はスポーツ紙やTV報道に任せて、オリンピック関係者トップの負の遺産について、子ども達への悪影響という観点からもふれておかなければなりません。
共通するのは、組織トップの「いいわけ」と「嘘」。その犯罪性に怒りが収まらないのです。
9年前の2013年の招致レースの際、立候補ファイルに「(東京の夏について)この時期の天候は晴れることが多く、かつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」と書いて、マドリードやイスタンブールとの争いに勝ちました。
ご存じの通り、男子マラソンでは30人の棄権者を出し、完走率は71.7%でした。
よくも書けたものすね、「理想的な気候」などと。
まさにトップによる偽証と虚偽そのものです。
猛暑と多湿の「オ・モ・テ・ナ・シ」以外なにものでもありません。
アスリートには懺悔のひと言です。
もう一つ、「東京五輪の起源は東日本大震災からの復興」という噓。
開閉式やトップの口から「復興五輪」というコンセプトや言葉が消えてなくなりました。
そればかりか、スガの「人類がウイルスに打ち勝った証し」という大会の位置付けも、感染爆発に打つ手なしの現在、お笑いスローガンになってしまいました。
こんな大人たちがリーダーである日本、子どもたちや若者世代に期待するしかありません。
このままでは、とんでもない国になってしまいます。
以下は、以前にもご紹介した作家・精神科医、帚木蓬生氏の本からの引用です(『生きる力~森田正馬の15の提言~』朝日新聞出版 2013年)。
心に元気を失った時、必ず繙くわたしにとっての“救いの書”でもあります。
「サイドカーに三味線をのせ、あちこちに教えに行く、80歳の三味線のお師匠さんに会ったのは、30年くらい前でしょうか。
80歳と三味線、ハーレーダビットソンのサイドカーの組み合わせが、実に新鮮でした。お弟子さんが百人以上はいると聞いて、思わず口をついて出た質問がありました。
「上手になるのは、もともと才能と素質がある人ですか、それとも、よく稽古する人ですか」と訊いたのです。
返ってきた言葉は、実に簡単でした。「素直な子です」とお師匠さんは答えたのです。
(略)「頑固な子、ひとりよがりな子は、こちらの言うことを聞きません。ひとりよがりでどんなに練習しても、下手な道を突き進むだけです。そうなると、素質も才能も、あってなきがごとしです。頑固さも同じです。」
以来、<素直な心>の反対は何だろうかと、ずっと考えてきました。
(略)実は<素直>の反対は<いいわけ>なのです。
いいわけは、進歩の目をことごとく食いつぶします。
(略)<いいわけ>は嘘と地続きなのです。
(略)<いいわけ>をしない心が、三味線のお師匠さんがいみじくも言った素直な心です。
あるいは、森田正馬(森田療法で知られる精神科医 1874~1938年)が推賞した「純な心」といってもよいでしょう。
小賢しい知性によって歪められない、偽りのない心が「純な心」です。
今の時代、素直さとか純粋といった性向は、どこか小馬鹿にされ、人の口にさえのぼりません。はなから無視されています。
(略)「純な心」、素直な心は、年を取るに従って薄れていきます。「純な心」を保つには、不断の心がけが必要なのです。」
なにゆえこうした引用を。
あの森前首相の女性蔑視発言や、最近では名古屋市長の河村たかしの無礼千万の言動。
あの両人の顔が自分とダブってしまったのです。
素直な心は年とともに薄れていく。強く自らに言い聞かせます。
子育ての前提は、わたしたち親自身に純な心、素直な心が育っていなければならないこと。
帚木蓬生氏からの教えです。
謙虚な気持ちをもって第2学期を迎えましょう。
お母さん方との2回目の“お話タイム”、秋に予定しています。
※どの学年も充実した夏期講習でした。欠席した生徒については、個々に対応します。
※8月集中授業期間の質問教室 午前10:50~1:00および午後4:25~6:40
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