いま子どもたちに読ませたい『戦争をやめた人たち』

2023.12.20 塾長ブログ

墨田区　東向島　学習塾　ウエル学院平野進学教室からのお便りです。

先週は凝りもせず絵本の読み聞かせをしました。

小学生だけでなく、中学１・２年生にもしました。変わった塾ですね、中学生にまで絵本の読み聞かせとは。

戦争など愚かで残酷なことは今すぐやめよ！との熱い思いをもって次の絵本を。

『戦争をやめた人たち…１９１４年のクリスマス休戦…』　（鈴木まもる　あすなろ書房　２０２２年）

第一次世界大戦の１９１４年のクリスマスイブ。最前線で対峙していたドイツ軍とイギリス軍の兵士たちが、「きのしこのよる」や「もろびとこぞりて」をそれぞれに口ずさむことから歩み寄って、食べ物を分け合い、家族の写真を見せ合い、鉄兜を交換したり、隊長同士も笑顔で盃を傾けます。翌日には、上着を丸め紐でくくったサッカーボールで、子どものように笑いながらボールを追いかけました。

他の場所でも同じような交流があったそうです。

最後はこんな文章で閉じられています。

「ここでクリスマスをいわった兵士たちは、もう、銃であいてをうつことはせず、命令されると、銃をすこし上にむけ、空にむかってうったそうです。大きな攻撃作戦があるときは、あいてにしらせ、気をつけるよう、つたえたそうです。いっしょにわらい、あそび、食事をし、友だちになったから、あいてにもふるさとがあり、家族や子どもがいることがわかったからです。国を大きくするために戦争をするより、たいせつなものがあることがわかったから、この人たちは、戦争をやめたのです。（おわり）」

この一時のクリスマス休戦を機会に心の交流を果たした兵士たちは、以降相手を撃つことはせず、秘密裏に敵に作戦を教えた。敵であっても相手を知ること、直接、肌で交流することの大切さをわたしたちは学ばなければなりませんね。コミュニケーションを図ることによって、停戦や休戦の希望が見えてくるのかもしれません。対ロシア、対イスラエルとのコミュニケーションの仲介役、誰か……。

初めて知ったのですが、SEKAI NO OWARIの歌　ＤｒａｇｏｎＮｉｇｈｔはこのクリスマス休戦をモチーフにしたとのことです。

〽今宵は百万年に一度　太陽が沈んだ夜が訪れる日　終わりがこないような戦いも　今宵は休戦して祝杯をあげる……僕たちは友達のように歌うだろう……踊るんだ……congratulation……

作詞・作曲をしたFukaseさんの世界観や生きていく上での視線、歴史認識に魅かれます。

恋愛を語るのみの歌謡曲とは一線を画していますね。

クリスマス休戦といった歴史的な事象をモチーフに楽曲にしたFukaseさん、その音楽哲学の奥深さに感服します。

停戦、休戦、終戦。

遠くから祈るばかりです。

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