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「発達障害」の可能性8.8%~わたしが気になること(その1)~

2023.06.06 塾長ブログ

墨田区 東向島 学習塾 ウエル学院平野進学教室からのお便りです。

 

驚きました、文科省の調査結果に。

公立小中学校の通常学級に通う生徒の8.8%が「発達障害」の可能性があると。

(障害の害という漢字、ふだんはひらがなで「がい」とするのですが、今回はそのまま使います)。

 

小学生は10.4%、中学生は5.6%、高校生は2.2%と、学年が進むにつれてその割合は低くなっています。

 

「発達障害」と、カッコつきで記しました。今回の調査では、専門医ではなく、担任教師が医学的な診断基準を参考に答える形で判断したからです。

 

それにしても8.8%は多すぎませんか。この13年で10倍に増えているとの推計もあります。全国の公立小中学校で、70万人をゆうに超えるそうです。

 

なぜこんなにも?

保護者や教員による発達障害への認知度が上がり、カウントされやすくなった、こんな説明が大方です。

 

小学1・2年では、12%以上という数字です。35人学級であれば、4.2人、30人学級では3.6人。先生の負担やその労力は想像以上です。こうなると、クラスの適正生徒数は、20人、多くて25人が限界でしょう。

 

文科省はすべてを教員に丸投げして、いつまでたっても自由で余裕のある教育活動を許してはくれません。働き方改革にも逆行し、残業に次ぐ残業。先生方の犠牲の上に成り立っているのが、現在の公教育と言っても差し支えありません。就活中の大学生は、「小中学校はブラックだから」と引いて眺めています。これでは教員不足は解消できそうにありません。

 

 

この発達障害に関する報告を受けて、3点ほどとても気になることがありまた。列挙します。

 

1点目は、8.8%のうち「授業での個別の配慮、支援を受けていない」児童が、43.2%もいたという現実です。また、スクールカウンセラーや専門家に意見を求めた例は、たったの15%しかありません。

 

いろいろなことが考えられますが、学校側や担任に気軽に相談を持ち掛けるという雰囲気やシステムが機能していないということでしょうか。あるいは、生きづらさや学習上の問題など、本人や親にそれほどの自覚がなされていないということなのでしょうか。

 

いずれにしても、危惧すべきことは 「2次的な障害」です。

専門家による適切な配慮や教育的な指導がなされないことによるうつ、逸脱行動、学習離れ、不登校など、ますます多くの児童が苦境に立たされることになります。こうした児童を見捨てない対策が急務です。

 

 

これまで発達障害と診断を受けた生徒さんが何人も通ってきてくれました。

わたしにたくさんの学習の機会を与えてくれました。同じ障害であっても、その個性や程度は一人ひとりみんな違いがあることも教えてくれました。社会的な環境や条件整備が整えば、障害は障害と認知されなくなるはず、こんな印象を持つようになりました。

 

 

“一人ひとりに寄り添う”

言葉で言うは易し、ですが、その具体的な寄り添い方は簡単ではありません。

まだまだわたしの勉強が足りません。

 

つづく。

 

墨田区 東向島 学習塾 ウエル学院平野進学教室からのお便りでした。

 

 

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